教員の身だしなみ
私は教員を辞めることを決心してから、身だしなみを整えるようになりました。
理由は、当たり前ですが、身だしなみが悪いと、相手に与える印象が悪く、転職活動で企業に採用してもらえない、お客様を獲得しづらい、など、自分の経済活動に悪影響があるからです。
ところが以前の私を含め、教員は身だしなみを気にしない傾向があるように思います。
理由は、教員の労働環境にあると思います。
教員は、身だしなみが悪くても、生徒は必ず集まってくるし、収入も影響がありません。これがもっとも大きな要因だと思います。
当然、身だしなみを気にする生徒、保護者の方もいるので、ある程度気をつかいましたし、毎日身だしなみを整えている、意識の高い先生もいました。
しかし、私の場合は、時間的な忙しさと、気持ちの余裕のなさから、社会人としての身だしなみを維持することを、負担に感じてしまいました。
チョークの汚れがつく、掃除のときに汚れる、部活のときに動きづらい、といったスーツの着用を阻害する要素もありました。(着替える時間もなかなか作れない)
そんな労働環境から、身だしなみを整えることにエネルギーや時間をさくことの、優先度が下がっていたのだと思います。
転職活動をするときには、自分の感覚で整えた身だしなみ、そして見た目の印象が、社会のビジネスシーンで通用するか、とても心配でした。
しかし、それは学校の外の社会で生きていくために磨かなければならない、必要な感覚だったのだと思います。
今は30歳の若さで、意識を変えることができて良かったと思っています。
身だしなみ等にそれほど気を使わず、定年まで教員をやって、気づいたときには社会から取り残されている…。そんな状況を想像すると、私は怖かったです。
身だしなみのことも含め、「教員は、世間知らず」とよく言われます。その原因は、教員の労働環境にあると思います。
教員の感覚が世間から遅れをとらないためには、学校の空気に染まらず、外の情報を積極的に取り入れなければならないのですが、私にはそれをやるための、仕事の速さとか、エネルギーとか、要領の良さがありませんでした。
これは、私が、自分が教員に適してないと感じた理由の1つでした。