30歳で教員を辞めた男の人生

30歳で教員を辞めて気づいたこと、教員をやっていて学んだことなどを書いていきたいと思います。教員の方も、そうでない方も、仕事と生き方について考える参考にしてきただける記事を目指します。

あきらめることの大切さ

教員になりたての頃、私は要領が悪い方で、求められた仕事が自分のキャパを超えてしまい、吐き気や動悸の症状が出て、鬱になるかもしれないと感じていた時期がありました。

調べてみると、原因はストレスによる自律神経の乱れのようでした。

危機感を感じて、自分の状況を改善するため色々な本を読みました。
また、本当にさまざまな人に助けていただきました。

おかげで、なんとか完全に鬱にはならず、自律神経を整えることができました。

そこで学んだ大きな教訓は、自分の中で、「あきらめること」をはっきり決めるということです。

それまでの人生で、「あきらめずに頑張ることは、良いことだ」と思い込んで生きてきたのですが、時間と体力的に厳しいことまでも、いろいろと手を出してやろうとして、自分の首をしめていることに気づきました。

教師の仕事には「ここまでやればOK」という仕事の線引きがなく、「これをやればOK」という正解もありません。果てしない目の前の仕事量や、自分の言動次第で生徒の人生を左右する日常を前に「どうしよう」と考え続ける日々。

そんな私に必要だったのは、自分の時間と体力的に厳しいことを、「あきらめる」ことでした。

一例を上げると、授業の際、当時の私は「クラスの生徒全員にとってわかりやすい授業」を目指して、意気込んでいました。

しかし、現実は甘くありません。1対1ならまだしも、集団授業で、学力の格差がある30人以上の中学生に、50分でわかるように授業をすることは、かなり難しいです。

授業が上手くいかなくても、自分の授業の振り返りや、生徒の解答の分析をする間もなく、次の授業が毎日次々とやってきます。私は、ほぼ毎時間、自身の力不足や、わからなかった生徒に対する罪悪感を感じて心をすり減らしていました。

そんな状況を変えるために、次のように考えてみたのです。

「今日の授業、○○さん、わからなかったかもしれないけど仕方ないか」と心の中であきらめて、「次の授業で○○さんに優先的にフォローをいれよう」と思い直す。

「忙しいのに授業の振り返りをする時間なんてとれないわ」とあきらめて、「帰りの車の移動時間だけは授業の振り返りをするようにしよう」と無理のない範囲のルールをつくる。

「毎日学習プリントを分析するのは無理だ」と心の中であきらめて、できるときに優先度が高い生徒から順番に分析をしよう」と時間対効果の高い方針を決める。

このように、理想的な状態をあえて自分の意思でしっかりあきらめることによって、未来を明るくする行動をとる。

これが、自律神経を整えるために、私が学んだ大きなポイントでした。

本で読んだことなのですが、何かをあきらめることは、未来を「明らめる」ということなのだと、実感しました。

「あきらめないことはいいことだ」という固定概念をもっていて、「できないことを、あきらめるな!」と指導をする大人がいます。

状況にもよると思いますが、本当にそれはその子の未来を明るくする指導なのか、一度考えるべきだと思います。