30歳で教員を辞めた男の人生

30歳で教員を辞めて気づいたこと、教員をやっていて学んだことなどを書いていきたいと思います。教員の方も、そうでない方も、仕事と生き方について考える参考にしてきただける記事を目指します。

わかっていることを言わない

教員をやっていたときから、子どもと良い関係を作るために、私がとても大事にしている鉄則があります。

それは、「相手がわかっていることを言わない」ということです。

学校、部活、勉強、遊び、…生活の中でさまざまな情報があふれる今の時代です。そして、今どきの中高生はとても忙しいです。

子どもに伝える情報は、相手にとって必要なもの。そしてより無駄がないものにするほうが、脳は情報処理に余計なエネルギーを使わずに済むし、ストレスの減少につながると思います。

経験上、親が口うるさいタイプのお子さんは、そのことで大きなストレスを抱えている傾向があるように思います。

大人でも同じだと思います。例えば私の仕事の場面でも、忙しく働いているときに、上司に声をかけられて、仕事を中断させられて、聞かないでもわかるようなことを、長々と話されて、「そんなことわかってるよ」と苛立った経験が、何度かあります。

そして、そんなとき、「この上司は、私の能力(どの程度教わらないで仕事ができるのか)をわかっていない」つまり、「私のことをちゃんと見ていない」と思うのです。

子どももきっと同様です。

・勉強をやりなさい
・テストでケアレスミスが多くてもったいない
・なんであのときにああしなかったの
・〇〇したほうがいいよ(〇〇は本人がわかってること)

こういったことを、大人が子どもに言ったときに、子どもは「そんなことわかってるよ」と苛立ち、「この人は自分のことをわかってくれていない」と感じるのだと思います。(たとえ親切心で言っていても)

「相手がわかってることを言わない」

これは、相手への理解と信頼を表す姿勢でもあります。

仕事のことでいちいち口に出してくる上司と、仕事を任せてくれて成果を見守ってくれる上司。どちらが自分を理解し、信頼してくれていると感じるでしょうか。

同じように、「勉強やりなさい」などと口うるさく言ってしまうのは、「君には任せられない」「黙っていたらやらないだろう」という相手への不信感からくるもので、その不信感は子どもにも伝わり、「私のことを信頼していない」「子ども扱いしてくる」と受け取られてしまいます。

どうしても、子どもに口を出してしまう人は、きっと子どものためと思いながら、自分の不安や苛立ちを解消するため(自分のため)に口を出してしまっている可能性があります。一度、思い切って我慢をして、しばらく黙って様子を見てみてはどうでしょう。

「勉強をしなさい」と親が何度も何度も言わなくても、たいていの子どもは勉強をした方が良いということをわかっています。また、親が勉強をしてほしいと願っていることもわかっています。

わかっていることを何度も言うよりは、定期的に時間をとってしっかり目標を話し合って決めて、その達成を黙って見守る。目標の達成を一緒に応援するといったスタンスの方が、子どもは「任されている」「信頼されている」という気持ちが生まれて、嬉しく、頑張ろうと思えるのだと思います。