入試改革と教育現場のギャップ
大学入試改革のニュースが世間を騒がせることが多くあります。
私が知る範囲で、日本では、教育を改革するためには、まず入試を変えようとする傾向があります。
入試を変えたあとは、後追いで(ほぼ現場丸投げで)、実際の教育が変わると考えているようです。
最近では、アクティブラーニングとよく聞きますが、「主体的・対話的で深い学び」をしていこうと改革が進んでいます。
ここから入試も、「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた改革をしていこうとしたようなのですが、それがどうしても生徒の実態とズレていると、自分には思えます。
大学入試センターの試行調査の問題がこちら。おそらく大学入試共通テストの新傾向になるものです。
そして、この問題のねらいというのが…
こういった傾向は、大学入試だけでなく高校入試でも見られます。
身の回りに数学を活用する力とか、数学について対話する力とかを測ろうとしてるようですが、ペーパーテストでそれを測るのは無理があるのでは…と自分はどうしても思います。
文書が長く、懸命に勉強してきた数学に到達するまでが長い…という声も聞かれます。
こういった傾向を受けて、対策で類題を解きまくる生徒は多く見ますが、身の回りに数学を見つけて対話してる生徒はあまり見られません。
塾や学校の先生たちは、これまでの学習指導に加えて、長文読解のポイントを指導する必要に迫られつつあります。
私が見る限り、生徒は、数学という学問自体の難しさや面白さで対話をすることが多い気がします。
日本の学習指導も、数学という学問本来の面白さによるべきではないか。入試も、そうあるべきでないか。と、最近よく考えます。
太郎くんと花子さんの対話を読まされても、対話する気にはなれないし対話の力はつかないと思います。
教育を取り仕切って舵取りをする方々が、現場の状況、こういった生徒たちの実態を、認識してくれたらいいと思うのですが…